ファッションってなんだ?、って話。
近ごろじぶんの肩書をひとつ増やしました。
「ナイトランナー」
コロナ禍での梅雨。
文字通り身も心ももっさもさにカビが生えて、そのままカビ太りしそうな状況に嫌気がさしましてね。
先月中旬ごろから晴れてる日の夜に小一時間ほど走るようになりました。
目標は秋までに、10月1日までに、体重を5キロ減らすこと。
もともとウォーキングはしていたのですが気分転換が目的だったので目指すところがありませんでした。
それだと目に見える変化がないので、面白くない。
面白くないと長続きしない。サボりだす。
こりゃあ、イカンザキッ!!
日焼けしたくないので必然的に夜間ランになります。
夜でしょ?マスクしてるでしょ?
気が付くとおかしな格好で走ってるんですよね~。
誰にも会わないし、すれ違っても暗闇でよく見えないから、古くてよれよれだったりお土産でもらったダサいTシャツ着て、梅雨の時期独特の生乾き臭いトレーニングパンツ履いて、マスクしてるからすっぴんで。
梅雨だから仕方ないっていう言い訳も多少はあったりもするんですよね。
洗濯物が乾かないので「何番手の服なのよ、これは」というベンチ入りさえもしない五軍クラスのタンスの奥で爆睡してた"もやしっ子たち"を総動員させざるを得ないんです。
淑女の嗜みとしてなんとかキャミソールタイプの下着もお情け程度につけてますが、割とこれも理性との戦いの域に達していると申しますか。
「そろそろこいつも無しで問題あるまい。誰も見ておらんばい」という悪魔のささやきが毎晩聞こえてくるわけですわ。
仕上げに、何かの景品でもらった犬だか熊だかよくわからんイラストの書かれた渋い枯れ葉色のウエストポーチを装着し、その中にスマホと家の鍵と500円玉を入れて家を飛び出るんです。
あ、500円玉は非常事態用に仕込んでます。万が一ランニング中にお腹が痛くなったりしてコンビニでトイレを借りた時に、お礼に何かちょっとしたものを買えるようにね。
まあでも変な格好で近所を徘徊しているという自覚がありますので、これまでコンビニにお世話になったことは一度も有りません。
なんならお世話になったが最後、今後自発的に自粛する、己を出禁に処する覚悟はあります。
え?どんなTシャツかって?
うーん、身バレしない程度に一例を挙げておきますと
・何年も前に安倍晴明神社で購入した五芒星入りのよれよれヘタレTシャツ
・「横浜」と大きく書かれたサイズ感の狂った超ジャンボTシャツ
・背中に巨大なエッフェル塔がプリントされている何アピールか不明なTシャツ
・リンゴのアップリケがついてて可愛いのに脇の下に穴が開いてたTシャツ
etc
こんやも中途半端にクレイジーで絶対知り合いに見られたくない格好でランニングに出かけ、いい塩梅に体が温まりそろそろ帰るか~と信号待ちしながら「嗚呼、今年の七夕さまも曇りのち雨ですか…」と感傷に浸っていると、誰かに背中をツンツンッとされまして。
ギョッとして振り返るとそこにはご近所の奥様が・・・。
「happorinさんはいつも素敵なお召し物だから最初はわかんなかったわ~クスクス」
ひぃぃぃぃっ・・・
「あ、ふ、は、こ、こんばんわ・・・」
とりあえず挨拶だ。ご近所さんにはきちんと挨拶をしておかないといけない。
何か事件が起こった時にテレビとかで「いつもきちんと挨拶をしてくれるお嬢さんでした」って言ってもらえないからね。
不意打ち過ぎて裏返った変な声でへこへこしたあとに、そっと胸元を触り下着をきちんと着用していることを確認し、信号が変わると同時に「では、ランニング中なのでっ!」と叫び、ものすごいスピードで家までダッシュしたのでありました。
なんだろう。
高嶺の花のイケメン様に見られるよりも、近所のおばさんに見られたことのほうが1000倍恥ずかしいこの気持ち。
たぶんこれまでで一番速く走ることができました。
明日はもう少しランニングの時間帯を後ろ倒しにすることにします。